博士課程の世界とは? 実話をお教えします!
おはこんにちばんわ。地方大学出身理学博士のA318です。
今回は、いばらの道、博士課程の世界についてお話ししたいと思います。
私は、2016年3月に、地方の国公立大学で理学博士を取得しました。
まぁ、正直、楽な道のりではなかったですね。楽するつもりもありませんでしたが、
全国の大学で理系の博士号を取得するには、論文を第一著者(ファーストオーサー)で少なくとも一報(厳しいところでは、プラス共著論文一報)を出さなければいけません。この一報が出ず、博士課程4年生、5年生(D4、D5)と、言ってしまえば、
博士課程に進んでも留年のような事態が発生します。
実際に先輩や後輩などにこういう人がいました。
幸いにも、私の場合は、D1の終わりに、一報だすことができました。
これで要件は満たされたわけですから、一安心ですv(。・ω・。)ィェィ♪
と思いきや
論文発表直後の中間発表(指導教官以外の教授2、3人に進捗を口頭で発表する)で、
「こんなレベルで博士号はやれん」と言われた私 Σ(゜Д゜;)
確かに大した内容の論文ではないので、ショックだった反面、納得できるコメントでした。
そうは言われたものの、これまでほぼ土日なく、毎日8:00-23:00まで実験や文献調査、勉強をやり続けてきたので、さすがに将来見据えて(学術業界に残るつもりはありませんでした)過ごした方がいいだろうという結論に至り、これまで研究のために割いてきた時間を少なくし、社会勉強として本を読み漁り、プラス6カ月インターンにいくことにしました。インターン先では、多くの博士号取得者が働いているところで(研究職ではありません)、研究者以外の博士としての活き方を見せていただいたなと思います。
そういった体験で様々な道を知る中で、「やはり俺は研究がやりたい」と改めて思えるようになり、インターンを終えた後、企業の研究職を探し始めました。
これが、 D2の冬です。
そして面白い企業(大企業ではありません)を見つけて見事D3になる頃には内定をもらい、現在、研究者として働いています。
中間発表で厳しいこと言われた私は、インターンや就活をする間も研究は普通に進めていて(この辺りでは、彼女と過ごしたり、就活や読書に時間を費やすために土曜日午後と日曜は休みにしてました。平日もラボにいるのは8:00-21:00にしました)、最終的に、卒業までにファースト2報、セカンド1報という業績を残すことができました。
ちなみに、職場で旧帝大出身(学部から)の博士号取得者の同僚がいます。しかも学振D1を勝ち取った人物。
しかし、一緒に仕事していて、
は?っていうくらいのレベルです。私の方が優秀だとかではなく、普通に修士卒のあの人の方が、優秀でしょみたいな感じ。
指導教員が優秀で、棚からボタモチ的な形でDC1や博士号を取った類だと思われます。ある意味、指導教員に恵まれなかったわけですね。私は学振を勝ち取ることはできませんでしたが、地方大学出身でも、博士課程という荒波を真っ当に過ごしていれば、温室育ちの旧帝大博士(もちろん優秀な人もいます)とは全然レベルが違うことがわかりました。おそらく、博士課程でこういう能力を身に付けるべきみたいなことを普段から考え、それを習得するよう意識して過ごせていなかったのだと思います。
そうならないために、何を意識して博士課程を過ごすべきかは下記の本が非常に参考になります。
また、職場にアメリカ、イタリア、ロシア、台湾出身の外人が結構います。
その中に博士号取得者も何人かいるのですが、
日本の博士は世界でやっていける
という印象。
研究計画の組み立て方などができていなかったり、科学の基礎がしっかりしてないがゆえにトンチンカンな実験をしていたりします。
上で紹介した書籍を参考に
博士課程で、ちゃんと研究に向き合っていれば、世界でもやってけると思います。
以上、
いばらの道でも、自分次第でなんとかなりますよ。
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